まずは、四貫島商店街までアーティストの浅井裕介さんの作品を見に行きました。08年末のイベントの際に描かれた、梅香の未来への想いを象徴する作品です。浅井さんの作品は空き駐車場や住宅の壁面、歩道など、梅香の各所に存在しており、住民が日常生活の中で愛着を持つことのできるシンボル的存在となっています。
次はマンション白鳥に移動。ブログにて梅香での生活レポートをアップすること条件に、期間限定・無料で住むことができる「試し住み物件」の部屋を見学しました。今まで、学生の知り合いを中心に30〜40人が利用されています。部屋の中の展示は彼らが作成し残していったもので、現在も東京から来た学生さんが住んでいます。お向かいは、大学生の頃から「梅香に住もう!」に関わっている横谷さんの部屋。近い将来、カフェとして地域に開放しようと計画されています。どちらも学生たち自身が改修を行った場で、暖かい色調のシンプルな部屋は住み心地が良さそうです。
そこから川沿いの古い空き倉庫に向かうと、元東北芸術工科大学教員のキュレーター 後々田さんがアートスペース開設に向けて準備をされている所でした。不動産屋からこの物件を紹介され、若手作家の展覧会場やレジデンススペースとして利用できる空間となるよう、ここで暮らしながら日々改修を続けているそうです。居住地から少し離れている立地を活かして、現代アートならではのハードな表現を試みていきたい、と抱負を語っておられました。
最後に、美術家の藤浩志さんを中心に運営されている「此花メジア」に伺います。工場跡を改修した、80年代にタイムスリップしたかのような雰囲気に、参加者も興味津々の様子。普段はアーティストのシェアオフィスとして使われており、住み込みのアーティストの方もいらっしゃいますが、基本的に使い方は自由で、ご近所の方が習字教室や音楽の練習に利用することもあるのだとか。スタッフの方からは、「あらかじめ用意した場を貸しているという感覚ではなく、地域の人たちにも運営に参加してもらい、この場の使い道を見つけてもらえればと思っている。未完成な要素、手を入れる余地がここにはたくさんある」と、地域とのつながりを重要視していることを教えていただきました。
ツアーを終えた後は、元たばこ屋の集会場「モトタバコヤ」で交流会を開催。参加者の皆さん、高林さん、「此花メジア」の住人であるアーティストの越智 さん、建築家の大川さんを交えて、ツアーの感想や梅花の現状についての話が弾みます。そこで「自分の住んでいる地域ではコミュニティの結束力が強すぎて、新しく外から来た人たちは入ることができない。それに比べて、梅香では日常的な生活がまちに開かれている印象がある」という参加者からの意見があったように、梅香の人たちには「此花メジア」の住人と近所付き合いを求めたり、頼んでもいない夕食を親切にも分けてくれたりする、「おせっかい」とも言える気質があるようです。
このまちに学生やアーティストによる住み開き/アートスペースが増えていき、「未完成な要素、手を入れる余地」がまち全体に生まれることで、人と場との相乗効果による梅香の新たな魅力を提示できるのではないでしょうか。
次回、住み開きは…
「The 住み開きシンポジウム!vol.2 ~津々浦々の住み開き事例レポート、そして青森の住み開きから近頃のホームパーティー事情まで!~」
!!!!!!!! 本プログラムは8月25日をもちまして、定員に達しましたのでご応募締め切らせていただきました。 たくさんのご応募ありがとうございました。 !!!!!!!!
「住み開き」について真剣に語り合うシンポジウム第二弾は、大阪北区は南森町にある「208」に て開催!ここは住居用マンションを利用したクリエイター自主運営のサロンスペース。美術、音楽、映像、ファッション、執筆など異なるジャンルのクリエイ ターが集まり、各自のスタジオとして使用しながら、定期的なパーティー、サロン、上映会、ワークショップなどを開いております。この日はゲストに、「208」の立ち上げ人である美術家/執 筆・編集者の岩淵拓郎さんをお招きし、世界各国の最新ホームパーティー事情についてご紹介いただきながら、本プロジェクトで取材を重ねてきた様々な住み開 き事例を一挙に発表いたします。また、青森県八戸市にて中心市街地活性化を目指して住み開き実験を今まさに行おうとしている今川和佳子さんにもお話をいた だきます。是非、今後少しでも住み開こうと考えている方、実際住み開くかは別としてそういうアクションに興味がある方、ドシドシお越しくださいませ。
日時:2009年8月30日(日) 18時~21時(オープンは17時半)
参加費:1000円(資料、軽食ドリンク代)
定員:25名(※要予約)
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