2010年6月2日水曜日

【速報レポ!】「女子高生チヨ(64)の青春 そして元・写真館の住み開き」


久しぶりに住み開きレポートをお届けします。



今回、ご紹介するのは、大阪市福島区海老江にあります千代の家。外から見るとごくごく普通の一軒家ですが、元写真館として使われて来た建物です。今回は定員も大幅に超えて20名を超える参加者で詰めかけさせてもらいました。



ゲストはこちらのご婦人 藤井千代江さん(69 愛称:チヨさん)です。藤井千代江さんは、なかなか一言で表現できないほど、面白い人生を送ってこられている方。



チヨさんは写真家のご主人と共に自宅で写真館を経営した後、なんと還暦を迎えたと同時に定時制高校に通い出し、10代の同級生とともに“女子高生”としての4年間を過ごされたのです。そしてその後、そんな女子高生活がマンガ「女子高生チヨ(64)」(講談社)として出版されることとなります。
マンガの著者は「ホタルノヒカリ」などで著名な漫画家 ひうらさとるさん。なんとひうらさんはチヨさんの実娘でもあるのでした。



漫画では、女子校生活をあえてポップにデフォルメ化してらっしゃるのですが、基本的にはチヨさんが当時書いていたブログの原稿を下にしているだけあってかなりリアルなもの。(なんとスクール水着まで実際に着用したとのこと!すごいですね…)

チヨさんに「そもそもなぜ高校に通おうと思ったのですか?」と率直にお尋ねしたところ、
「暇すぎて 笑。いわゆる現実逃避やな」とのお答えが。
夫婦円満で何も問題なく数十年写真館をご主人と経営されてきましたが、館を閉めたら如何せん話し相手がご主人オンリー。だからといってこれといった会話も特になく、
「とにかく刺激がほしかった」ということでした。



そして実際に高校に通い出すと、チヨさんの中に潜んでいた好奇心が、みるみるうちに溢れ出し、その後の様々な活動へと発展していきます。
(※チヨさんの女子校時代のより詳しいお話は、やはりこの漫画を是非お読みくださいね!かなり面白いですから。講談社から出版されてます。)

さてここからはチヨさんの「写真」にまつわるお話をいくつかご紹介します。



彼女はこれまで膨大な数の写真アルバムの制作や、地域の祭りを撮影した写真展などを企画してこられました。その過程を経て、彼女は、デジカメがカメラの標準となってしまってから、写真をプリントすることが少なくなりつつあることに対して、「写真を見返す文化が薄れつつある」とやや危惧を感じてらっしゃるようでした。「パソコンのフォルダに大量に写真が入っているにも関わらずあまり見返すことがない」「そもそもデジカメになってからみんな写真撮りすぎ!そんなに何枚も撮らなくとももっと厳選して残していけばいいのに」ともおっしゃっていたのですが、確かに、撮ったら撮りっぱなしになってほとんど開けることのない写真フォルダって一杯あるなぁと筆者も思い返すところ多々あり…。これには参加者の大半が苦笑い(!?)しながら頷いておりました…。
「厳選した写真を少しでもプリントアウトすることで、ぐっと見返す機会が増えて、写真をもっと大切に感じられる」というチヨさんの意見はいまの若いカメラキッズにはなかなか胸に刺さる言葉かもしれませんね。

またチヨさんには写真館を経営されていた時代からの夢があります。それは家系図を辿って世代間を越えた一冊の壮大な家族アルバムを作るプロジェクト「千代」(登録商標しているブランドですよ)を立ち上げること。「千代」の内容は大体こんな感じです。



例えば、現在3歳のA君にお母さんからのプレゼントとして、A君から遡って親子三代に渡る家族の写真をひっぱり出します。
当然、A君の自宅にない写真も出てきますよね。そしたらA君のお母さんが親族各々から写真提供してもらうように働きかけます。このプロセスをチヨさんもサポートしていくわけです。そしてそこで出来たアルバムをまるで絵本のように見るA君は、最初は「あっ、これ、パパとママ!」次も「あっ、これ、じいじとばあば!」って分かるんですが段々、「これ だれ?」って人が写真に現れてくる。そういった血のつながりを体現するカタチとしてこの家族アルバムがあるわけです。

チヨさんは過去に、このプロジェクト「千代」を広めるために様々な写真館ネットワークを訪ねられたそうです。しかしなかなか活動は広まらず、しかも写真を集める過程で、家族自身が撮影したような写真(プロのカメラマンから見たら素人の写真)がアルバムの中に採用されることに対して、カメラマンであるご主人から「こんな写真、アルバムに入れられへん!」という厳しい指摘をされたとのこと。そう、時代は平成9年。まだデジカメやパソコンでの写真編集もまったく主流ではない時代だったのでした。

しかし現代は平成22年。皆が自分でアルバムを作るようになり、ようやくチヨさんの構想に対して時代が追いついてきたのでしょうか。最近では、若いお母さんに対して、「千代」のお話をする機会も増え、徐々に活動が広まりつつあるそうです。そしてさらに写真を通じた出会いの場を増やす意味もこめて、ようやくここで「住み開き」という行為に至るわけなのです。

チヨさんは、毎週木曜日に「千代」のお話などをするために昨年秋から少しずつ住み開き始めてます。さらには着付け教室なども含めて、これから第四日曜日を住み開かれる予定。



とにかく「来る人を限定せず、色んな方々に遊びにきてほしい」というチヨさんのさらなる活躍に期待しつつ、この日の参加者各々が自分なりの人との繋がり方について思いを巡らされたのであれば、これ幸いです。

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