住開(すみびらき)スポット紹介。今回は、大阪市北区で活動する「中崎町サロン文化大学」です。
フリーランスの編集者兼ライターである狩野哲也さんが主宰されています。
まずは中崎町サロン文化大学のホームページからのプロジェクトコンセプトを引用いたします。
「中崎町サロン文化大学という
大それた名前のサロンです。
オモロい活動をしている方や
みんなの憧れる仕事をされている方に
ご自身の活動について語ってもらうお話会や
ワークショップを開催します。
英会話や編み物教室、工作づくりなど
スキルを教わるスクールにも利用したいです。
また、同業種、同業界が集まって
経験値を高め合うようなミーティングも開きます。
中崎町で行っている
「働き方について考えるトークサロン」
をベースに、
カルチャーセンター的で
公民館的でそれより出向いてみたくなる
場所=サロンを
提供できれば幸いです。」
狩野哲也さんは中崎町界隈で、「働き方について考えるトークサロン」を主催されている方。以前は求人情報誌の編集者として活躍されていた方で、仕事に関する情報提供を行って来た過程で、身近な人たちの「働き方」について紹介することに興味をもたれたそうです。
筆者アサダも、以前からこの企画の存在は、知人から聞いており、興味を持っておりました。少し趣旨は違うかもしれませんが、我々「築港ARC」では、「アートを軸にしつつ、多分野のユニークな社会活動を紹介すること」をテーマとしたトークサロンをこの二年半、月一回のペースで開催してきたので、この「働き方について…」に対して、勝手ながら近い感覚を持っていたのかもしれません。
(山納洋さんがスピーカーを務める「考え方サロン」の様子。筆者も参加してきました。)
中崎町サロン文化大学では、「働き方について考えるトークサロン」以外にも、料理や和菓子、英会話、ヨガ教室などもされています。
狩野さんは4年程前から京都の静原で石窯を使ったパンづくりのワークショップを開催されており、参加者同士がパンづくりを通して情報交換をできる機会に魅力を感じていることを知りました。モノを作る目的だけでなくお互いの興味を刺激し合い交流できる機会を設けること。こういったことはパンづくり以外にも、色々なワークショップやサロンを展開していけば実現できるのではないかと考えられたそうです。そして、狩野さんの周りにいた、何かを教えることができる人/教える仕事がしたい人が活躍できる場所になればこれは面白いことになるということで、まずはご自身の事務所から始められたプロジェクトがこの中崎町サロン文化大学でした。
(手芸サロンの様子。とてもカラフルですね。)
さて、
「住開(すみびらき)アートプロジェクト」の活動コンセプトについてどう思われるか、不躾ながら率直に尋ねたところ、狩野さんは以下のようなことを心がけているとのことでした。
「このサロンを続けていくために大切にしているのは、
まず
第一に、自分(狩野さんご自身)が一番楽しめること
第二に、スピーカーが楽しんで自分の活動を話せること
そして、
第三に、お客さんがこの場を通じて楽しいと思ってくれること」
スピーカーになる人の条件も、「1.狩野さんと仲良し 2.空気が読める人
3.自分が話たいことと狩野さんが興味がある話が同じ」といった感じです。
私も、大阪を中心にいつくかの場所づくりを実践してきましたが、人が集まる仕組みをつくるときは、主宰者が無理をしない方法で自然と継続できることが大事であり、その点をよく心得たルールだと思いました。狩野さんは、このような仕掛けを作っていく上での参考事例として、中崎町を中心に活動する山納洋さんの「コモンカフェ」や「シングルスプロジェクト」を挙げられています。
(マクロビサロンの様子。食べものがあるだけで場の雰囲気が和みます。)
また、もうひとつ面白い工夫として、講座によって参加者の範囲がその都度決められていること。
誰でも参加オッケーな講座と、スピーカーや狩野さんの友達の友達くらいまでの参加に限定する講座と、色んなバージョンがあるらしく、まるで「プライベート
← → パブリック」の間をフェーダーでいじっているかのよう。狩野さん曰く「参加者の存在を後回しにしているというわけではなく、あくまでスピーカーの裁量にあわせている」とのこと。主宰者だけでなく、スピーカーが疲弊せずに関われることも活動継続の条件とすることで、結果として参加者に質の高い時間をもたらすことに繋がるのでしょう。
また「住開(すみびらき)」スポットの存在に対しては、「昔からそういったものはあったんじゃないですか?」と答えられ、例として、同志社大学の成り立ちについて挙げられてました。これについては、中崎町サロン文化大学のブログにて書かれてますので参考迄にお読みください。
http://nakazakicho-u.blogspot.com/2009/04/joe.html(同志社英学校とサロンの関係)
さて、
次回の住み開きレポートは、ランドスケープデザイナーで映画俳優もされている花村周寛さんが主宰されている東成区の「♭(フラット)」です。
印刷会社の倉庫を改装した事務所スペース兼稽古場(兼 半住居)の住み開き事例。乞うご期待を。
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