住開(すみびらき)スポット紹介。今回は、大阪市東成区で活動する「♭(フラット)」です。
ランドスケイプデザイナーで映画俳優、そして大阪大学コミュニケーションデザインセンターなどで講師も務められている花村周寛さんの事務所兼プチ自宅兼稽古場スペースです。昨年の秋頃から物件に手を入れ始め、現在も継続してリノベーションを進められてます。
まずはどんな場所か、フライヤーの雰囲気をご堪能ください。とても素敵なデザインです。
場所は大阪市営地下鉄中央線の「緑橋」から徒歩4分ほどのところ。
車がびゅんびゅん走っている今里筋からちょっと住宅街に入っただけでもとても静かな環境なんですよ。
このあたりって結構、工場とか倉庫とかが多いですけど、この♭(フラット)も印刷会社の倉庫兼事務所だったところを改装してつくったスペース。
一階の印刷会社(なんど活版印刷!)の事務所を残しつつ、その裏を稽古場に改装、そして稽古場横にはバーカウンターも設置して、とても素敵な空間が出来上がっていました。
さてさて二階に上がらせていただきました。
これまたいい感じに元々のレトロな木造の雰囲気を残しつつ、リノベーションされています。
共同オフィスのような空間。ここで花村さんにコーヒーを入れていただきました~。
花村さんは俳優業もされているので、結構、映画のロケ地としても活用されているとか。
このチェアーの左側にある白い壁の向こうがレジデンススペース。ベッドが一台置いてあってご友人の映画監督さんなどが泊まらる予定だそう。花村さんご自身も時折泊まっているそうです。
そしてやっぱりこういう白い壁ってスペースのポテンシャルが上がりますよね。ギャラリーにもできるし、何よりプロジェクションできるのが良いですね。
一階の稽古場兼バーにしろ、二階のオフィス空間にしろ、暖かい人の手によってリノベーションされた感じがとても良く伝わってくる。
主宰者自身が建物の構造を大方理解されていることも重要だと思うのですが、やはりこういう作業は手伝ってくれる「仲間」の存在が大きいですね!花村さんの演劇関係の友人がたくさん関われているようです。こういう時って舞台美術やっている人ってリアルにその技術を日常に転用できますよね。そういった人々がまた一階の稽古場を使ったりして、この緑橋にひとつ演劇系のコミュニティが育まれていくのではないでしょうか。
花村さんに、「住開(すみびらき)」の活動コンセプトについてどう思われるか伺ったところ、大変興味深く捉えてくださったようです。そういった拠点をネットワークするその仕組みに関心を持っていただいたようで、今、とりわけ大阪で活動している「住開(すみびらき)」スペースをいくつか紹介させてもらいました。この♭(フラット)は、様々な表現チャンネルのコミュニティとなるだろうなと思いましたね。それは、花村さんご自身が、ランドスケープデザインや建築、アートやデザイン、映画や演劇での役者としての活動などなど、まさに様々なチャンネルを持っている方なので、ある時は、デザイン・建築系の共同オフィスとして、ある時はアーティストのレジデンス施設として、またある時は役者の稽古やロケ地として、ある時は上映会の会場として…など、まさに様々な用途を関わる人がその都度編集してゆけるところに、この拠点に多大なるポテンシャルを感じた次第です。
こういったプライベートな空間からパブリックな場所を獲得していく動き、このことの意味を感じながら、花村さんとは夏に何か「住開(すみびらき)」パーティーを開きたいなと考え中です。
乞うご期待です。
参考文献:
住居や個人の空間をパブリックスペース化する話は、大阪府立現代美術センター発刊のフリーペーパー「Plug」vol2の「新・大阪的住まい方」にて特集されてます。
→http://www.osaka-art.jp/genbi/katudo/images/plug_002.pdf
それと逆にパブリックスペースをプライベート化する話は、書籍「マゾヒスティック・ランドスケープ」にて色んな事例を集めてますので、そちらも参考にして下さい。
→http://www.amazon.co.jp/マゾヒスティック・ランドスケープ―獲得される場所をめざして-LANDSCAPE-EXPLORER/dp/4761523824
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